京都市上京区 S様邸
敷地面積 : 165.04㎡ 49.92坪
建築面積 : 68.15㎡ 20.61坪
延床面積 : 102.60㎡ 31.03坪
1階床面積 : 62.69㎡ 18.96坪
2階床面積 : 39.91㎡ 12.07坪
建ぺい率 : 60%
容積率 : 173.6%(200)
準工業地域
15m 第3種高度地区
旧市街型美観形成地区幹線
西陣特別工業地区
工場を閉じてから約10年。
最初に訪れた時には、当時の機械がまだそのまま残されていました。
その場所を片付け、整え、
今度はご家族が暮らす家として生まれ変わりました。
ご両親とお子さんお二人が暮らす、
ゆるやかにつながる二世帯住宅です。

玄関土間は広めに確保し、収納もたっぷりと設けました。
靴の脱ぎ履きがしやすいゆとりある空間は、高齢のご両親にもやさしい設計です。


玄関を入ってすぐ隣にはご両親の畳室を配置。
トイレや浴室などの水まわりも近くにまとめることで、1階だけでも生活が完結できる間取りとしています。
段差をなくし、将来も安心して暮らせる住まいを目指しました。

LDKは庭に面した大きな窓と、ダイニング上の吹抜によって、明るく開放的な空間となっています。



無垢杉の床や造作家具の木の風合いが広がり、落ち着きのある心地よい空間に。
天井はクロス仕上げとしながらも梁を見せることで、木の存在感を感じられるようにしています。



キッチンにはタカラスタンダードを採用し、BOSCHの食洗機を組み込んでいます。
キッチン上部には、スタジオリンクスが得意とする造作吊戸棚とカップボードを設置。
白いタイルですっきりとまとめながらも、杉の造作家具によって木の温かみを感じられる空間となっています。


キッチンの背面には造作カウンターも設け、食事や作業など多目的に使える場所に。
暮らし方に合わせて使い方が広がるキッチン空間です。
造作家具には、床と同じ杉材を使用しています。
素材を揃えることで、家具を後から置いたというよりも、空間そのものの一部として馴染むように計画しました。
引き出しの前板には、一枚の杉板から木取りした材料を使用し、木目が横へ連続するよう製作。
細かな部分ですが、こうした職人の手仕事が空間全体の美しさにつながっています。


ダイニング上には大きな吹抜を設けました。
上下階がゆるやかにつながることで、家全体に明るさと広がりをもたらしています。

また、吹抜を通して家族の気配を自然に感じられるのも、この住まいの特徴。
空間を仕切りすぎず、ほどよい距離感でつながる暮らしを大切にしています。



2階には、家族共有で使える多目的スペースを設けました。
居室や室内干しや収納、趣味の時間など、暮らしに合わせて柔軟に使える場所です。
2階にはお子さんお二人それぞれのお部屋を配置。



どちらの部屋も吹抜に面しており、室内窓を通して光や気配がやさしく届きます。
完全に閉じるのではなく、家族とのつながりを感じられる個室としました。


オープンクローゼットを設けることで、限られた空間を広く使えるよう工夫しています。
吹抜上部には室内窓を設け、2階とLDKがゆるやかにつながるよう計画しました。


声や光、空気がほどよく行き交い、どこにいても家族の存在を感じられる住まいとなっています。
完全に閉じないことで生まれる、心地よい距離感を大切にしました。



階段を上がると、勾配天井を活かしたロフト空間が広がります。
天井高は1400mmに抑えながらも、しっかりとした収納力を確保。
壁と天井にはブルーのクロスを採用し、落ち着きのあるこもり感のある空間となりました。


長く親しまれてきた場所に、新しい暮らしが戻ってくる。
思い出の残る土地で、これから先の時間をまた積み重ねていく。
この住まいは、家族それぞれの距離感を大切にしながら、
ゆるやかにつながって暮らすための家となりました。